自然素材を使った家の良さとは?

暮らす人はもちろん、環境にも優しい家づくりとして近年注目されている自然素材。

新築の際に、自然素材を使った家を……とリクエストされる方も年々増えてきています。しかしネットなどで調べてみると、さまざまなメリット・デメリットが見受けられ、腰が引けてしまう方もいらっしゃるかもしれません。そこで今回は自然派素材の家のメリットと、住みながら生じる「経年変化」についてご紹介いたします。



■そもそも自然素材とはどんな素材?



自然素材とは、無垢(むく)の木や漆喰・珪藻土などの昔から家づくりで使われてきた、自然由来の素材です。日本の家づくりでは、身近にある山の木や、地元の土を使って家をつくってきました。塗料としては米ぬかから採れる米油、エゴマ、漆など。未熟な柿を発酵させた柿渋も耐水性や防腐性が高く、家の保護のみならず番傘に塗られていたように、日本人はたくみに身のまわりにある素材を使ってきたのです。


しかし戦後を経て高度経済成長期に入り、急激に住宅供給が求められた時期に、工場で大量生産できる「新建材」が登場しました。これらは安価で大工技術を要さずともかんたんに施工できるため、一気に広まりました。

しかしその後、建材から放散されるホルムアルデヒドなどの化学物質によって室内空気が汚染され、健康障害を引き起こしシックハウス症候群という社会問題にもなりました。

自然素材があらためて注目されるようになった背景には、このような歴史があるのです。




■お金とメンテナンス、実際のところはどうなの?



無垢の木は調湿性能が高く、湿気の高い梅雨時や乾燥しがちな冬場でも、室内の湿度を一定に保ってくれる効果があります。漆喰・珪藻土などの塗り壁材も、壁に厚く塗ると調湿効果を発揮し、断熱効果も期待できます。自然由来の素材なので空気もきれいで、外から帰ってくるとホッとする空間づくりができることでしょう。


ただ自然素材のデメリットとしてあげられるのが、初期費用とメンテナンス。大量生産の工業製品と異なり、自然素材は材料費が高く、工事の過程においても職人の手を要します。またその調湿性能ゆえに、経年により無垢の床材は反りが生じたり、漆喰・珪藻土は細かなヒビ割れが入ることも。


ただそれらは、欠陥ではなく自然素材の家ならではの当たり前の現象です。無垢の床材の反りも、きちんと乾燥を施した材を使えば神経質になる必要はありません。キズがつきやすいことがデメリットに挙げられることもありますが、湿らせたフキンを置いてアイロンをあてれば、多少のキズは元に戻ります。

漆喰は手垢がついても消しゴムで消すことができ、珪藻土には自浄作用があります。細かなヒビ割れはDIYでかんたんに補修できます。


また費用の面ですが、長い目で見ると、メンテナンスコストの面から自然素材の家に著しいデメリットがあるわけではありません。30年間にわたる初期費用+メンテナンスコストを計算すると、自然素材の家と新建材を使った家はほぼ同等、あるいは自然素材のほうが安くつくという試算も出ているようです。

工場での大量生産品が劣化して交換を要するのに対し、自然素材は経年変化で味わいを増しながら、時間を蓄えていきます。

また工場生産品だと、交換したくてもすでに廃盤となって、例えば壁の一部分だけを直したいのに全面的にやりかえなければならない場合も。普遍的な自然素材なら、そんな心配もありません。




■珊瑚を使った塗り壁材も。自然素材で自分好みの家づくりを



藤沢市辻堂に拠点を構える大平工業では、漆喰や天然の塗り壁材、むく材などを用いた家づくりをご提案しています。お客さまの家づくりがスムーズに進むよう、あらかじめ規格を決めており、そのなかでお客さまのご要望に寄り添うべく、さまざまな自然素材や建具などのパーツを取り揃えております。

海の近くのエリアということもあり、海が好きな方向けに珊瑚の壁材なども扱っております。自然素材の家づくりに興味がある、規格が決まっている中でも自分好みの家にしたいなどのご希望がある方は、お気軽にご相談下さい。